ラックケースを作った

自作スタジオでは16トラックでドラムレコーディングができる環境になっています。
モニター用のパワーアンプやディストリビューターなどラックマウントの機材が増えてきたので1×4材を使って4Uのラックケースを作りました。

ラックケースとは

ラックケースというのはこういう機材を組み付けるケース。これが部屋にあるとそれっぽさがめちゃ出ます。かっこいい。
オデッセイラックケース

横幅は19インチ(=482.6mm)に統一され、縦は1段を1Uと呼び1U=44.45mmとなっています。
画像のラックは12Uサイズで、今回作るのは4Uサイズです。

わざわざ自作しなくてもサウンドハウスで買えば安くて良さげなラックケースがありますが

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ここまできて市販のラックケースを買う選択肢はもはやない。毒を食らわば皿までよ。

材料

今回材料にする1×4材は安くて加工もしやすいのでDIYでよく使われる木材。

  • 1×4材、長さ190ミリくらい(後述しますが177ミリでもOK)×10枚
  • 1×4材、長さ535ミリくらい(521ミリでもOK)×10枚
  • 4Uラックレール(品番:RRF4 メーカー:MIDDLE ATLANTIC ミドルアトランティック)

ラックケース自作材料ワンバイ材ラックレール
1×4材全部で1500円くらい。
手前の黒いL字の鉄板がラックレール。この鉄板に機材を取り付けます。
MIDDLE ATLANTICは格安の1500円。他のメーカーは4000円くらいします。何故。
あとはビスが数百円くらい。

いざ作成

ラックレールのネジ山を切る

MIDDLE ATLANTIC(ミドルアトランティック)のラックレールは安くてとても助かるんですが、ひとつだけ問題がありまして
ラック取り付けのねじ穴がW3/16(インチネジ)になっています。世の中の一般的な規格はM5(ミリネジ)の方。

ということで

W3/16 → M5

にネジ穴を作り直します。
このことを専門用語で「タップを切る」「ネジ山を切る」「ネジ山を立てる」などと呼ぶらしい。専門用語かっこいいけど使いづらい。僕には「専門用語を得意げに使うシロウトにはなりたくない」という歪んだ自意識がある。

ちなみに、インチネジでも特に問題なく使えるので
とりあえずラックケースを安く作りたい場合この手順は不要です。

準備するのは切削オイルとM5サイズのタップドリル、インパクトドライバー。
自作ラックケースラックレール加工DIY

広げるW3/16の穴を切削オイルで濡らします。

インパクトにタップドリルを取り付けました。

ドリルで穴を広げます。

M5のビスを入れて確認。問題なし。楽勝です。

完成。変わらない見た目。付着する鉄粉。オイルでヌメヌメのレール。映えない画像。

切削オイルを使う以外は普通にドリルで穴を開けるのと変わらない感覚でした。

1×4材をダボで繋げる

ここからはラックケースのケース部分、木箱を作っていきます。

こんな風に1×4材を5枚横に繋げて板にしたい。

これはまだ並べただけ。

側面にドリルで穴を開けます。

横向きにまとめてクランプで固定すると開けやすい。

簡易のドリルガイドを作ってみます。

内径8mmのスペーサーを用意。

端材で挟みます。注意するのはスペーサー、机に触れる部分は垂直であること。

 

だいたい垂直。くらいの精度。

 

 

ビスで固定。

 

ショボすぎて不安な見た目。

「無いよりはマシ」というレベルのガイド完成。

作ってみてまず感じたことは製品買ったほうがいいということ。使うけど。

穴を開けるところに印をつけます。

専用の定規を使うと板の厚みの中心に印をつけるのがめちゃくちゃ簡単。

8mmのドリルを用意し、先ほど作った無いよりマシなドリルガイドに通します

ドリルの先を印に当ててから、ガイドを1×4材に押し当てます。

穴の深さはダボを使って測りました。

ダボの真ん中に印をつけて

差し込んで、その印がギリギリ見えない深さならOK

浅かった穴は改めて堀りなおします。

 

片側の側面に穴が開いた5枚の1×4材。

もう片側に穴を開けるときはダボマーカーという商品を使います。

ダボマーカーをさっきの穴に差し込み

隣にくる板に押し当てます。

ぐいっと押しつける。ぐいぐい

するってぇとダボマーカーのピンが印をつけてくれます。(クリックで拡大)

この印にまたドリルで8mmの穴を開けます。

ダボマーカーで穴の位置を揃えたペアの板を間違えないように、それぞれ番号を振ります

実際の画像はこんな感じ。1と2

 

3と4

 

5と6の写真は撮り忘れて、7と8

 

そうして開けた穴に木工ボンドを流し込みます

ボンドはちょっと入っていればOK

全然ちょっとじゃないところもある。勢い◎

ダボを差し込みます。固い場合はハンマーで軽く叩く。

これを対応する番号の穴に差し込みます。

板になりましたワ-イ。ハミ出たボンドは濡れた布などでちゃんと拭き取ります。

同じものを二組つくります。

当て木をして、クランプでガッチガチに固定します。ボンドが乾くまで一晩放置。

完成。ウェイ↑

 

同じ手順であと2枚、大きい板を作ります。ここからはダイジェスト。

でーん。完成。

接合は完成。次は見た目です。

焼き目をつける

少し濃いめの色にしたいので焼き目をつけてみます。

石膏ボードの上に置きました。「石膏ボードは燃えにくかった気がする」という雑で曖昧な知識。

 

バーナーで炙る。

こんな感じになりました。ええやんけ…!

ビビりながらやったのでめちゃくちゃ時間かかった。雑にボーボーやってしまって大丈夫そうでした。

焼いてない方と比べるとこんな感じ。ええやん。

2枚目も焼き終わり。おうおうええやんけ。

大きい方も

ミディアムレア。

 

 

端を切って整える

ダボで繋げるとどうしてもイビツになる辺が出てきます。

この両端をカットすることで辺を整えます。

そのために、この板は少し余裕をもったサイズで作っていました。

カットするのめんどくさいし、ちょっとくらいイビツでもハンドメイドの味になるのでこの工程は飛ばしてもいいかもしれない。結構めんどくさかった

片面を落としました。めっちゃきれい。めんどくさかったけどやる気出てきた。チョロすぎ。

全ての板の両端を落として揃えました。

最終的な板のサイズは

  • 長辺521mm ×短辺445mm ×厚19mm(大)
  • 長辺445mm ×短辺177mm ×厚19mm(小)

です。

塗装

塗装はワトコオイルのナチュラル。

コテバケで塗り塗り。ハケでやってた頃にはもう戻れない。

両面に塗りました。乾かします。

組立

いよいよ組み上げます。

コーナークランプを使って垂直に。

下穴を開けてビスを打ち込みます。

 

一辺を固定しました。

 

もう一辺を固定し、「コ」の字型になったタイミングでラックレールの位置を決めます。

機材を入れた時にどんな感じになるかイメージ。ラックレールの位置の微調整もこの時に。

位置が決まったらちゃんとビスで固定します。

こっちも。

その後天板を固定して完成。わー!いい感じ!!ワ-イ!

いざ設置

スタジオに持ってきました。焼き目いいねえ。

嬉しくて何枚も写真撮ってしまう。たまえ〜

焼き目めっちゃいいなぁ。特に天板。木目、フシもいい感じ。雰囲気あるねえ。いやーいいのが作れたなー

実際に使う感じで置いてみました。ちなみに上のラックケースも以前DIYしたもの。どっちもいいねえ。たまえ〜〜

 

焼き目全然見えんやんけ

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持ち運ぶので取手や蓋もあります。

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この箱は同じように1×4材を使っていますが、ダボは使わずに組み立てました。
問題なく使えているので、ラックケースもダボなくてもよかったかもなー。まぁあったほうが強度高いから後悔するというほどでもないけど。
家の中に据え置きのラックケースで、大して強度がなくていい場合はダボなしでもいいかもしれません。

改造して裏面にアクセスしやすくしました(追記:2024/10/04)

裏面にアクセスしやすくするために回転式に改造しました。

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結果的に縦置きになり、かなり省スペースにもなりました。